第三者による相続人調査

借家人死亡後の賃貸借契約

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近年、家族や社会から孤立している独居生活者が増加しており、高齢者等の借家人の孤独死・孤立死により大家さんが事後処理に苦慮するという問題が多く発生しています。

借家人は、大家さんに賃料支払義務を負っている債務者というだけでなく、大家さんに対して目的物を使用収益させる権利や将来の敷金返還請求権を有する債権者でもあります。
借家人の死亡によって賃貸借契約は消滅せず、賃借権は相続財産として相続人に当然に承継されることになります。
相続人が複数であればその全員が共同相続し、全員が使用収益権を有することになります。(民法264条)

この点は、賃料支払義務のない使用貸借(民法599条)が借主の死亡により消滅するのとは異なります。なお、部屋に残された動産類の遺留品も当然に相続財産であり、賃貸人が勝手に処分することはできません。

第3者による相続人調査

job_bengoshi_manそこで大家さんは、交渉相手として新たに賃借人となる相続人を探すことから始めなければなりません。

大家さん(賃貸人)は、未払分の賃料については債権者の立場になり、敷金・保証金の返還については逆に債務者の立場になります。また、遺留品や残置物の処分についても対応を誤ると後々賠償問題にも発展しかねませんので清算業務は慎重に行う必要があります。
また部屋によっては、残置物によりゴミ屋敷になっていることも多く、それにより腐敗臭がしたり壁紙や床の損傷が拡大することもあります。

滞納分の家賃が敷金・保証金で賄えない場合、保証人がいれば保証人に対して請求することになりますが、実際には保証人に支払能力がなかったり、所在不明であったりすることも予想されます。また、相続人に対して請求しても、賃貸借契約の継続を望まない相続人であれば支払に難色を示すことも十分考えられますので、滞納家賃をいたずらに増やさないためにも清算事務は早めに対処することが賢明です。

具体的には、戸籍調査により賃借人の生まれてから死亡するまでの戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍を収集し、さらには賃借人の相続人である子の戸籍と戸籍の附票も収集しなければならず、賃借人の親族が保証人となっている場合等、親族の協力が得られる場合はよいですが、事案によっては数か月以上かかることもあります。

パーソナル法務事務所では、そんな悩める大家さんをサポートするべく、迅速に亡くなられた賃借人の相続人調査をいたします。大阪だけでなく京都、神戸、奈良、和歌山からも広くご相談を受け付けております。

相続財産の清算処理

job_ooya戸籍調査等で相続人が判明した場合、賃貸借契約を終了させるには、相続人全員に対して解除の意思表示をする必要があります。(民法544条1項、最高裁S36.12.22)
その時点で賃料がある程度滞納となっていることが多いと思われるので、敷金から滞納賃料を控除しても賃借人に返還すべきものがない状況であれば、催告及び解除の通知により終了させることも考えられます。しかし、一方的意思表示による場合、家賃の滞納があっても信頼関係の破壊がなければ解除権を行使できないという判例法理や、残存動産類の処分の問題で、後で争いになる可能性があります。

よって、あらためて相続人全員と合意解除の書面を交わしておくべきです。具体的には、相続人全員から、合意解除の同意書を取得しておくのがですがその同意書の中で、敷金の処理、残存動産類の処理(賃貸人において処分する等)は明確にしておくべきです。