包括遺贈及び特定遺贈

包括遺贈及び特定遺贈

遺贈とは遺言に基づく贈与のことをいい、死因贈与(僕が死んだら〇〇をあげる)は贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与のことを言います。

死因贈与(民法554条)

  • 贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与については、その性質に反しない限り、遺贈に関する規定を準用する。

遺贈と死因贈与は、財産を無償で与えるものである点、贈与する者の死亡によって効力が生ずる点で共通しますが、遺贈は、贈与者の一方的な意思表示である単独行為であるのに対し、死因贈与は、贈与者・受贈者の双方の合意が必要となる契約であるという点で異なります。

遺贈は遺言により行うため、その内容を受遺者に知らせずに行うことができますが、死因贈与は契約であるため受贈者は事前にその内容を知っているという点で異なります。
そして受遺者は法定相続人である必要はなく、遺言者が相続財産を譲りたい相手がいれば、個人、法人を問わず自由に相続財産を譲り渡すことができます。

遺言者より先に受遺者が亡くなっていた場合は、その受遺者への遺贈は無効となります。
相続とは異なり、受遺者に相続人がいたとしても、受遺者の相続人へ受遺者の権利が移って遺贈されることはありません。

包括遺贈及び特定遺贈(民法964条)

  • 遺言者は、包括又は特定の名義で、その財産の全部又は一部を処分することができる。ただし、遺留分に関する規定に違反することができない。
  • 包括遺贈とは「相続財産の40%を〇〇さんに遺贈する。」といった感じで相続財産の全部又は、一定の割合で指定して行う遺贈のことをいいます。
    →この場合は、実質的には相続人と同一の権利義務を負うことになり、もし遺贈者に借金などのマイナス財産があれば、遺贈された割合に従ったマイナスの財産も引き受けることになります。
  • 特定遺贈とは「不動産〇〇の土地を〇〇に遺贈する。」といった感じで、遺贈する財産を指定して行う遺贈のことをいいます。
    →「特定遺贈は包括遺贈とは違い、特に遺言で指定をされていなければ遺贈者の借金などのマイナス財産を引き継ぐことはありません。

遺贈の放棄

  • 包括遺贈
    →原則、遺言者が亡くなった日から3ヶ月以内に家庭裁判所に包括遺贈の放棄の申述をします。これは相続放棄の場合と同じです。
    そして、3ヶ月の期間内に遺贈の放棄の申述をしないと遺贈を受けると承認したものとみなされます。
  • 特定遺贈は包括遺贈の場合と違い、期限について法律の定めがないのでいつでも放棄することができます。
    →相続人等の利害関係者は受遺者に対して特定遺贈を承認するのか放棄するのかはっきりするように確認の催告をすることが可能です。
    そして、受遺者が決められた期間内に回答しない場合は、承認したものとみなされます。
    もし、受遺者が遺贈の放棄をする場合は、トラブルを避けるために内容証明郵便を相手に送るのが一般的です。